OJT指導者研修で押さえておきたいポイント ~OJTの基本~
医療・介護現場の人材育成はOJTが不可欠です。しかし、人員不足の現場では、基本的なOJT指導法を学ぶこともないままOJT指導者を任され、手探りで指導をしているケースが多くあります。このような状況では、OJTの成果はあまり上がらず、OJT指導者にとって新入職員の指導が大きなストレスとなりメンタル不調になるケースもあります。また、同じ組織でも指導者によって指導の内容や方法が違うことにより若手職員が不安や不満を感じ、メンタル不調や離職するケースもあります。そのため、新入職員を育成するためのOJT指導者研修は、新入職員の受け入れ準備としてとても重要です。
OJT指導者研修で押さえておきたいポイントについてシリーズで書いていきたいと思います。今回は、「OJTの基本」です。OJTの具体的な指導方法に焦点が行きがちですが、OJTを効果的に進めるためには、OJTについて正しく理解することがとても大切です。
【OJTとは】
OJTとは、上司や先輩が職務を通して、職務に必要な態度や価値観、知識、技能、などを “意図的” “計画的”“継続的”に取り組む育成・指導の活動です。
現場に放り込んで仕事のコツや要領をOJT指導者や先輩の見様見真似で覚えさせるという「無計画」「行き当たりばったり」の指導は、OJTではありません。このような指導は、新入職員に業務のこなし方を教えているだけで、医療・介護の専門職としての態度、倫理観、アセスメント能力、実践力の育成にはつながりません。医療・介護の専門職として自立した人材を育てるためには、次の6つのステップで進める必要があります。
【OJTの6つの基本ステップ】
1.求められる職員像の明確化
2.到達目標の設定
3.育成計画の立案
4.OJTの実施
5.評価
6.振り返りと次の課題設定
新入職員を受け入れる準備として、先ずは「どのような人材を育てたいのか」「どのような知識・技術が必要なのか」を明確にしておきましょう。
(株式会社Leap 研修事業部長 関弘子)
Leapの研修
●「Leap」では組織と個々のパフォーマンスが活性化するための人材育成をめざし、医療・介護・福祉現場で必要な「マインド」と「スキル」の向上めざした研修を行います。
●机上での学びでなく、実践できる学びを重視し、現場経験が豊富な講師が事例をもとに参加型の研修を通して、自ら考え動ける人材の育成をめざします。